makikori’s blog

再生可能エネルギー自給率380%、食料自給率120%を誇る秋田県鹿角市・小坂町。そんな「永続地帯」で活動するマキコリは、会員の薪棚を潤沢に埋めることを目的とする「薪活グループ」です。手入れのできなくなった山林や耕作放棄地、閉園するリンゴ園などから、支障木を伐らせてもらって薪を生産しています。会員は現在40名以上。「みんなでみんなの薪を集め、みんなで使う。できることを持ち寄って豊かな薪ライフを」がモットー。「薪わり道場」などのイベントを開催しています。

MAKIKORI信州ツアー(前編)

 

MAKIKORIのメンバー4名プラス私の娘の合計5名で、メンバー所有のラグジュアリーなキャンピングカーをチャーターし、いざ!!!信州は長野県松本市へーー。

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鹿角ー松本=721km

片道約9時間の道のりでしたが、運転手以外の体感時間はだいたい「4時間」(笑)、快適すぎる乗り心地に、福島あたりから完全にワープした感じ。(zzz)

気が付いたら目の前に「道の駅たてしな」という看板が♡

 

少し休憩してから道の駅南アルプスに移動し、美味しい焼きたてパンを朝食に。焼きたて熱々クロワッサン🥐が3個まで試食OKという太っ腹な道の駅でしたー!

地元の人がクロワッサンを予約して大量に買って行く姿を見て、地元に愛される駅であることって超大事、と思いました。

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さて、今回の長野行きの経緯は。

 

信州大学の茅野教授が理事を務める「自然エネルギー信州ネット」がコーディネートした「四賀の里「錦織」(にしごり)開所式」という晴れの舞台に、ゲストとして(!)お招きいただいたのでした。

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このチラシを見て急に足がすくんだのは言うまでもありません。

「マキコリから学ぶ」と書かれているプレッシャーに押しつぶされそうになり、「マキコリ学ぶ」に変えてもらえないかなぁーなんて逃げの姿勢になったりしながら、聴衆が学べるポイント収集や、お客様が欲しい素材集めに試行錯誤。

 

ご依頼くださった茅野先生とMAKIKORIはとても仲良くさせていただいており、先生も活動に参加してくれたことがあります。そのときの記事はこちら。

 

先生が参加したときに残してくださったMAKIKORIについての感想。

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この会の基本は、薪を介した仲間づくり。

買ってくれる人(むろん会員に引き込む)向けの生産量をにらみながら、あくまで作業に関わるメンバーの自家消費用がメインで、その辺のよいバランスが時間とともに組み上がっていった様子がわかりました。

ダイバーシティがあり、地域の信頼を得、自立したところがすばらしい。

拠点もすごくクリエイティブな空間でした。

 

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MAKIKORIをよく感じて、捉えてくださり、こんなに短文にまとめてしまうなんて、さすが博士。私がこの短文について説明をすると、3日はかかります。

 

いずれ、この「先生が感じたMAKIKORI」について、「四賀の里  錦織」という新しい拠点を創造する皆様向けにお話しする、というミッションをいただいたのでした。

 

とはいえ、まずは、観光。高遠城址の美しい街並みにため息。

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旅を共にした大切な仲間に「歴女」がおり、100名城スタンプラリーに(最近)チャレンジを初めて、今回は高遠城松本城に行くことになりました。城と言うか…スタンプのある博物館目指してる感が明らかに強め(笑)  そういう彼女が大好きなのです。

 

たまたま開催されていた新そば祭りで美味しい高遠そばをいただきましたー。

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腹ごしらえの後は、茅野先生と合流してDLDの視察に。

薪の宅配サービスで成功しているのは、日本でDLDだけと聞いていたので、水面下で薪宅配の野望を抱えるMAKIKORIとしては、ここを視察しない手はなかったのです。

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長野では薪の樹種は「松」!まずここに度肝を抜かれました。深刻な松枯れ被害対策もあり、松の薪利用は長野に古くから文化としてあるそう。東北は広葉樹を焚くことをステイタスとする文化が根付いているので、松というと、ストーブを壊すとかタールが多くて煙突を壊すとか、煙が黒いとかいろいろマイナスイメージが先行し、なかなか利用に至りませんでしたが、きちんと乾燥してさえいれば、樹種なんてほぼほぼこだわる必要がないということがわかりました。

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DLDの社長小平(コノヒラ)さんは農学博士で、薪のカロリーについて興味深いお話をしてくれました。

 

薪の質量に対するカロリーは一定なので樹種に寄らない。

一度に燃料としてくべる薪のカロリーは、同じ時間に投入するファンヒーターなどの灯油のカロリーの約2倍なので、燃料を贅沢に使う薪生活は当然暖かく、燃料価格は2倍が妥当。

そのくらいカロリーを燃やしてるしてるんだから贅沢なんだ、とのこと。

なるほど。

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実は今年から10畳の居間にDIYで薪ストーブ(ホンマ製作所のステンレス時計型)を導入した我が家は、薪のあったかさに正直、慄いています。あついあついと聞いてはいたものの、本当にあつい!!w 

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うちの場合、10畳だけなので、薪2本でポカポカ。この部屋でコタツに入らず足の指先まで暖かくなった経験は、嫁いで15年で初。

しかも火は、明らかに家族の緊張をほぐしていて、みんなが緩〜く心も体も開いているのを感じます。

 

この暖かさを体験した人は、他の燃料に浮気できない理由がわかりました。薪、すごい。火は見てて全然飽きないしね。

 

さて。DLDでの学びのもう一つは、薪のルート販売について。

11月〜4月の6カ月間基本料金をいただきながら、お客様のお宅を定期的に巡回し、棚から減っている分の薪を補充して、補充した薪代を請求する、という一般的な灯油販売と同じ考え方。

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薪棚は基本料金に組み込まれているのでお客様は購入やメンテナンスの必要なし。棚のメモリを基準に使用量を判断します。

 

長野では1家庭で1シーズンに使う薪の量は4㎥だそう。秋田の半分ですね。そして、使用する4㎥のうち、DLDから購入する薪は平均すると2㎥と、シーズン使用量の半分相当だそう。あとの半分は自分で薪活して集めているんでしょうね。

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このビジネスが成り立つ最小モデルは。

「1人の薪作りおじさんに対し、10㎞圏内に50人のお客様がいれば良い」ということらしく。

 

薪の使用量が倍である秋田においては、お客様の数は半分でも成り立つということですよね。

25軒のお客様を見つけたら、GOですね!

ウォーーー俄然やる気がみなぎる会長と事務局長!!!

 

とても収穫たくさんのDLD視察のあとは、マキコリメンバーの別荘へ〜。なんてことでしょう。長野に別荘を構える仲間がいるなんて。仕込まれたようですが、偶然です。

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てなわけで、長野まで行っても、鹿角のソウルフード「ホルモン」で乾杯。どこまでも鹿角愛で。笑

揺らめく薪ストーブの炎を堪能しながらすっかり休ませていただきました。

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旅1日目終了!

続きは後半で。